【書評】不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ【リバタリアン】

この記事では、ウォルター・ブロックさんの『不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ』という本を紹介します。

[ウォルター ブロック]の不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ (ハヤカワ文庫NF)

目次

  1. この本について
  2. おすすめしたい読者
  3. 本の中身
  4. 翻訳者:橘玲さんの紹介
  5. まとめ

1.この本について

本書、『不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ』はリバタリアン(自由原理主義)の立場から、一般的に不道徳と評価される職業や行為が、果たして本当に不道徳なのか、と疑問を投げかけている本です。本書を通じ、リバタリアンと呼ばれる人たちの考え方についても触れることができます。
一般的に不道徳な職業とはどんなものでしょう。本書からいくつか抜粋すると…

  • 売春婦
  • 麻薬密売人
  • 恐喝者
  • ダフ屋
  • 闇金融

などなど、パッと見、明らかに道徳的ではなく、批判されるような職業が並びます。ですが、著者は「このような職業の人達こそヒーローなのだ」と言います。
果たして、その理由は一体どこにあるのでしょうか。

本書を通じ、世間一般的な通念とはまた違う、ドライだけど論理的には正しい、経済や職業の実態について理解を深めることができるでしょう。

2.おすすめしたい読者

Photo of a Woman Thinking

本書は、ステレオタイプなものの見方に疑問を持っている方におすすめです。

なんだか抽象的でスミマセン。。要は、こんな「考え方もあるんだ」と思うことを喜べる人には、おすすめできる本です。

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正直言って、この本は人を選びます。冒頭にも書いたとおり、取り上げている職業や行為は一般的には不道徳、もっと言えば「悪」と言えるものばかりです。
それらに対し、その評価が間違っていること、そして本当に正しくないものが別にあることを訴えかけていますので、本質的に価値観が違うような人だと
拒絶反応が出てしまうかもしれません。。

ですが、自分と違う考え方を吸収することは、成長にとって大きな意味があると、私は思うのです。

だからこそ、今の自分に向ける意味でも、この本を紹介しようと思います。

3.本の中身

この本の著者、ウォルター・ブロックさんアメリカの経済学者です。Wikipediaによると御年78歳ですが、現在も大学や研究所で活動されているようです。
また、翻訳は橘玲さんが担当されており、本書の序説を執筆したり、本書の中でアメリカ風の表現を日本人に分かりやすいよう日本風への置き換えを行ってくれています。

本書はでは、上に記載したような様々な不道徳と評価される職業が出てきますが、ここではそのうちの一つ「利益追求者」について紹介します。
なお、利益追求者は原著の表現で、本書では「ホリエモン」と書かれています(笑)

金儲けは悪いことか?
1 U.S.A dollar banknotes

著者はまず、金儲けには3つの批判がある、と言います。

もっともよく見られるのは、「お金とは額に汗して稼ぐものだ」という信念である。(中略)この人たちは、利潤が獲得される過程がよく理解できないので、「そこには何か不正があるにちがいない」と強く疑っている。

 

金儲けへの典型的な第二の非難として、「強者による弱者からの搾取」理論がある。(中略)金儲けは道徳的に間違っているだけでなく、弱者から資金を奪うことに寄って社会そのものを害しているのだ。

 

第三のタイプの批判は、他人
の無知や無力につけこんんで卑劣な金儲けをしている」というものだ。(中略)無知な消費者に高く売りつける―すなわち客から”ぼったくる”ことは、彼らをもっとも怒らせる。

 

これだけ見ると、確かに金儲けには負の側面がありそうな気がします。ですが、著者からするとこれらの批判は「理由がちっとも明白でない」というのです。
なぜかと言うと、、、

  • 1つ目の批判への反論
    利潤を獲得する過程は明確で、商品やサービスの価値に地理的、時間的な差がある(青森県だとリンゴは安いけど、沖縄に持っていけば高く売れる か、
    まだ市場に出ていないものを発明するからである。

 

  • 2つ目の批判への反論
    金儲けは契約を通じて行われる。契約では買い手も内容に合意しているわけだから、一方的な搾取にはあたらない。確かに「買ってみて高かった」という場合もあるが、買った時点では買い手にとってもメリットがあると思っていたのは事実である。

 

  • 3つ目の批判への反論
    人になにかを売るときは、それが不足している人に売るのである。たとえその不足が無知によってもたらされたものであったとしても、不足、という需要がなくなるわけではない。

いかがでしょうか、言われてみると「確かにそうだな…」と思ってきませんか?
こういう具合で、他の職業や行為についても、一般的に言われている批判に対し著者は反論を繰り返すのです。 本書で繰り広げられる反論を読みすすめると、一般的に悪いものとされている事柄が、果たして本当に悪いことなのか、その行為の本質は何なのか、を考えずにはいられなくなりました。

4.翻訳者:橘玲さんの紹介

本書の翻訳者、橘玲さんは、翻訳だけでなく作家としても書籍を多数出版しています。また、ブログも運営していて、先日の記事では本書を取り上げていました。

https://www.tachibana-akira.com/2020/01/12179

5.まとめ

Thought, Idea, Innovation, Imagination, Inspiration

本書では「金儲けが悪いことだ」ということへの反論を紹介しましたが、他の職業、行為に対する反論も非常に面白く、また理にかなっています。本書を読むことでこれまで良くないことだと思っていたものに対する見方も変わると思います。本書をお手にとって、ぜひ、物事を世間の評判の通り受け取らず、自分で考えてみるきっかけにつなげてもらえたら嬉しいです

それでは、また別の記事でお会いしましょう!

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